8/21/2011
今日は国内では北海道の胆振地方、日高地方及び、本州の埼玉県、長野県に隔離分布するナデシコ科のエンビセンノウという多年草を見るためにお出かけです。草丈は50〜80cmくらいあってひょろひょろと伸びて他の草に寄りかかっているようでした。
花は茎の先端に数個がまとまって付きます。
同じ株を角度を変えて見た所です。とても鮮やかな朱色の花で、これが本当に野生種かと疑いたくなるような感じでした。
花は直径3〜4cmほどで、花弁は5枚あり、先端が4深裂しています。
側面から見た所です。花弁ががく筒先端部で折れ曲がっています。
エンビセンノウというのは漢字で燕尾仙翁と書くのですが、燕尾は深く切れ込んだ花弁の様子を燕の尾に見立てたもので、仙翁は京都の仙翁寺というお寺にこの種類の草が多数あったため、その名を取ったのだそうです。
横から見るとナデシコ科であるというのがわかるような感じがします。
花弁の裂片は中央の2つが長いです。
湿り気のある所を好んで咲くようですが自生地は開発などによって激減しているそうです。
同じ花を斜め前から見た所です。花弁基部に2つの三角形状の小片が見られました。
咲き出してから時間が経つと花弁は水平になるようです。
絶滅しないように何とかこの地で末永く成長して欲しいものです。
上と同じ花を斜め前から見た所です。
葉はこのように対生して柄が無く、茎を抱くようになっています。長さは3〜7cmほど。
所変わって、ユリ科ツルボがぽつぽつと咲き始めていました。花の時期には葉が枯れている事が多いようです。花は総状に付いて、下の花から開花していきます。
花の直径は8mmほどで、花被片は6枚見られます。
秋の七草の一つ、マメ科クズがたくさん花を付けていました。
花は大きさ2cmほどで、旗弁の基部が黄色くなっています。
同じくマメ科のツルフジバカマも咲き始めていました。
花は一方に偏って付き、一つ一つの花の長さは15mmほどでした。
葉の様子。小葉が互生しているのがわかります。
ちょっとわかりづらいですが、草丈50〜100cmほどのユリ科アオヤギソウが開花していました。ユリ科シュロソウの変種で花が緑色をしています。
花序の部分です。
花は直径10mmほどで6枚の花被片からなっています。蕾のものが多かったですが、何とか開花株を見つけられて良かったです。