9/5/2010
今日は道央、道北の天気予報が芳しくなかったので、日高方面へ出かける事にしました。目的地は様似町にあるエンルム岬という所です。標高70mほどの小高い岩山です。
この画は国道336号線をはさんで陸側から岬の様子を見た所です。典型的な陸繋島です。地図はこちら。
まずは岬の裏側まで行って、岩場の草を観察する事にしました。
これは安山岩質の岩(ひん岩)の柱状節理と崩壊部分です。
海岸近くの礫地で見られた草丈15〜50cmほどのキク科エゾオグルマという花です。
頭花は直径5cmほどで、筒状花を舌状花が取り囲んでいます。
葉は厚みと光沢があり、長楕円形で長さ10〜15cmほど。ふちにはやや粗い鋸歯が見られました。
バラ科ミヤマワレモコウも見られました。
キキョウ科ツリガネニンジンの残り花です。
エゾマツムシソウも多数見られました。
頭花は直径4cm前後。
ベンケイソウ科コモチイワレンゲです。ランナーを出して幼苗を作って増えるようです。
では、続いて岬上部の観察に行ってみましょう。中腹まで車で行けます。
道端に生えていたヒダカトリカブトではないかと思われるものです。草丈1mほど。
葉の様子です。掌状に5深裂していました。
これは南アメリカ原産の帰化植物であるキク科ハキダメギクという草です。草丈15〜40cmほど。
頭花は直径5mmほどで筒状花のまわりを先端が3裂した白い舌状花が取り囲みます。それにしてもハキダメギクとはかわいそうな名前です。
駐車場にはこのような看板がありました。
名称不明のキク科の草です。草丈40cmほど。頭花は直径35mmほど。ヤナギタンポポのような感じもします。
駐車場からはこのような階段を上って行きます。
草丈30cmほどのシソ科クルマバナだと思います。
花冠は直径7mmほどで上下2唇からなり、上唇は2裂、下唇は3裂しています。
岬のてっぺんから見た東側の様子です。中央にアポイ岳が見えていました。
西側の様子です。親子岩が見えていました。
ここでのお楽しみはちょっとした群落を作っていたケシ科チドリケマンという草です。最近までナガミノツルケマンとして扱われていていました。北海道では道東及び中部などで見られます。学名は、Corydalis kushiroensisです。
花序と葉の部分。2年草です。
花序の部分です。一つ一つの花は長さ12mmほどと小さいです。
別の個体の様子。
また別の個体です。
ちょっと角度を変えて見てみました。
花の側面観です。後上方に伸びる長さ5mmほどの距が見られます。花茎には稜があります。
斜め前方から見た所です。
正面観です。花弁は上下それぞれ2個ずつあります。
葉の様子です。2〜3回羽状複葉で小葉は3深裂します。
花後の若い実の様子です。長さ10mmほど。内部の種は果実の皮が丸まって開く事によりはじけて飛ぶそうです。