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7/29/2012

今日は道内の上川地方以東に局所的に見られるゴマノハグサ科エゾママコナという草を観察に出かけました。現地に着いてみるとものすごい群生を見つけて、驚きました。草丈は20〜40cmほどで、多分1年草だと思われます。

花は茎の先端に苞葉を伴って付くか、あるいは葉腋に付きます。茎頂の苞葉の中心部分に近い所は花と同じような色に染まっています。

側面観です。花の長さは2cmほど。

正面から見た花の様子です。

花は上下2唇からなり、上唇は嘴状でふちに白い毛が生えていました。

下唇には2つのピンク色の隆起があり、これを米粒に見立ててママコナと言われるようです。

何だか発色がおかしいのですが、実際は濃いピンク色です。
これは側面観です。下唇がくの字形に曲がっています。

これは茎上部の苞葉の色が薄かった個体です。

正面観です。この色が実際の色に近いです。

右斜め前方から見た所です。下唇の隆起と上唇のふちの白い毛がわかります。

また別の個体の側面観です。苞葉の基部に近い所には細く尖った牙歯が見られます。

斜め前方から見た所です。

正面観です。上唇のふちの毛が顕著です。

茎頂の苞葉の色がほとんど花と同じようになっていた個体です。

花序中央の様子。葉の基部の牙歯は下にいくにつれて短く少なくなります。

茎頂の苞葉の色づき具合がきれいだった個体です。

花が開く前は上唇と下唇はくっついていて(左上部の花)開くと、右のようになるようです。

またまた別の個体の側面観です。

斜め上から見た所です。

株を真上から見た所です。上部の苞葉の色づきと上下2唇の形状がわかります。

斜め上方から見た所です。他のゴマノハグサの花と共通する形状をしています。

株の基部に近い所の葉の様子です。形状は披針形で対生し、ごく短い柄があります。わずかながら基部には牙歯が見られます。

ここからは所変わって、オホーツク海側の海沿いの草地に出没です。
お目当ては15日に見損ねていたシソ科ムシャリンドウです。

花冠の長さ3cmほどのきれいなスカイブルーの花をたくさん付けます。

花冠を斜め前方から見た所です。花の表面には細かい毛が見られました。

別の株です。まだ蕾も見られました。

側面観です。雌しべの先端が2裂しているようでした。

正面観です。上下2唇からなっていて、上唇は2裂、下唇は3裂し、下唇の中央裂片にはやや濃い青色の模様がみられます。雄しべは4本のようで、うち2つが長いようです。

またまた別の株です。ムシャリンドウというのは漢字で書くと武佐竜胆で、武佐というのは滋賀県の地名で、ここで初めて見つけられたリンドウに似た花という事で付けられた名前のようですが、武佐にはこの草はないそうです。

上唇を見た所です。

下唇の模様の様子。何となく同じシソ科のミソガワソウに似ています。

側面観です。今年は見られないかと思っていただけに、見る事が出来てよかったです。

草丈は概ね15cmほどでした。

まだまだフレッシュな株。

上下2唇の様子をもう一度。

あいにくこの日は当地では霧雨が降っていたのですが、水滴が付いてまたちょっと違った風情を楽しむ事ができました。

花冠の内部を見た所です。

葉はシソ科とは思えないような広線形でやや厚みがあって対生していました。

当地ではサンゴソウ(アッケシソウ)も見られました。秋の紅葉で有名な草です。

ここからはまた場所が変わってとある森の中でキヨスミウツボが咲いているのを見つけました。

何とまだ花つきのよいキンセイランも見られました。一番下の方の花は結実していました。

花序の部分です。2茎見られました。

渋いですね。

一株だけイチヤクソウ科シャクジョウソウも見られました。

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