6/21/2009
今日は大方の天気予報では雨、しかし雨雲のレーダーエコーと数ある天気予報サイトのピンポイント予報から判断すると曇りではあるものの、富良野方面では雨は降りそうになかったので予定通り富良野西岳の沢コースを登ってみることにしました。午前3時に自宅を出発、午前5時10分新富良野プリンスホテル駐車場着。富良野ロープウェイの乗り場の裏手の作業道を左に進んで行くとほどなく砂防ダムがある登山口に到着。午前5時30分入山です。登山道はこの砂防ダムの右側を乗り越えて行きます。
砂防ダムからしばらくはこのような平坦な道が続きます。
登山道脇に多数見られた白花のラン科ノビネチドリです。草丈35cmほど。
スミレ科キバナノコマノツメがたくさん咲いていました。
花は直径1cmほど。
ぼちぼちと登って行くといよいよ最初の渡渉点に着きました。雪どけで水量が増していて、苔で滑るので沢靴と沢用スパッツを着用して慎重に渡っていきます。渡渉点にはこのように赤いテープがつけられているのでそれを頼りに進んで行きます。
水深はくるぶしから膝下くらいまでありました。
いったん沢から離れて登って行くところもありました。
バラ科ヒメゴヨウイチゴがあちこちで咲いていました。花弁は7枚ありますが、平開はしません。
雪どけ水を集めてごうごうと勢いよく流れています。
まだミヤマスミレがぽつぽつと咲いていました。
また渡渉です。なるべく浅くてすべらなそうな所を確かめて渡っていきます。
渡渉を何回か繰り返しているうちに、気が付いたら目の前にこの山を含めた夕張山地の固有種のケシ科エゾオオケマンが姿を現しました。感激の瞬間です。
草丈は1mくらいあって大きかったです。
花の横顔です。花序は長さ10cmくらいありました。
正面観。下部の花は終わりに近かったようです。
まだフレッシュなもの。
正面観です。
葉は2〜3回羽状複葉でやわらかかったです。
花は10数個が総状花序に付きます。
見る方向を変えてみました。
花弁は4個からなっているようです。
一つ一つの花の長さは3cmほどで、上花弁の後方は長い距となっています。
花弁が4個あるのがわかります。基本的な構造はエゾエンゴサクなどと似ています。
白花に近いもの。
沢登りはまだまだ続きます。
登って行くと仙人の泉という湧き水がありました。
雪渓も顔を出しました。
仙人の泉からほどなく登山道左手に金鉱跡という洞穴がありました。このあたりでようやく沢登りは終わりです。
沢登りの後はやや急な斜面をジグをきざみながら高度を上げていきます。
メギ科サンカヨウもあちこちで見られました。
これも多く見かけたキンポウゲ科ミツバオウレンです。
何度もジグをきざみながら登って行くと見晴台という所に着きました。
見晴らしは曇りであまりよくありませんでした。
高度を上げていくとまた残雪が見えてきました。この後に大きな雪渓があって、登山道が完全に雪で覆われていておまけに見出しの赤いテープもなくなりちょっと迷いましたが、雪渓の右端をつたって行くと何とか登山道に出ることができました。
雪渓をようやく通り過ぎて斜度の急な斜面に出ました。
ようやく尾根筋に出てもうすぐ山頂かというのは間違いで、これはニセピークです。ここからもまだまだアップダウンがかなりありました。
尾根筋に出ると見られる花も増えてきます。
これはラン科ハクサンチドリです。
たくさんありました。
唇弁が3裂しているのがわかります。
なぜか緑色のものが多かったミズキ科ゴゼンタチバナです。
ミヤマハンショウヅルは咲き始め。
鑑別が難しいキスミレです。ミヤマキスミレでしょうか。
花は直径20mmほど。側花弁には毛が見られます。
ようやく標識がある山頂が見えてきました。
石灰岩のもろそうな岩場に生えていたバラ科ミヤマダイコンソウです。
花は直径25mmほど。
急斜面に生えていたツツジ科ナガバツガザクラです。高さ6cmほどの常緑小低木です。葉は長さ10mmほどで松葉のように細いです。
花冠は鐘状で長さ7mmほど。
花冠の先端は浅く5裂して、少し反り返るようになります。
山頂近くで多数見られたカタバミ科コミヤマカタバミです。
やっと山頂です。
左側に芦別岳、右側に中岳が見えていました。
山頂到着午前10時。お花見モードで登ること4時間30分かかりました。
山肌を雲が流れて行きます。
下山は峰コースで富良野スキー場へと下りました。
山頂直下の峰コースでのみ見られたアイヌタチツボスミレです。普通のものとはちょっと変わっています。
花は直径12mmくらいで側花弁に毛が生えていました。
葉は普通のアイヌタチツボスミレとは異なり、内側に巻いていました。
石灰岩土壌の影響なのかも知れません。