○もどる

7/5/2009

今日は、前日午後11時過ぎに家を出て、北日高の伏美岳(標高1792m)ととなりのピパイロ岳(標高1916.5m)に日帰りで登ってみることにしました。かなりの長丁場になりそうで、山中で1泊されて登っている方も多かったので、500mlのペットボトル9本とポットに氷、食糧を用意しておきました。
現地到着午前3時20分。
朝食を済ませて午前3時50分に入山です。日没がこの時期遅いので午後6時頃までに戻ってくる予定です。
地図はこちら

登りはじめて間もなく1合目到着です。

伏美岳までのコースは笹刈りがきれいにされていて登りやすかったです。

次第に斜度が増してきます。

今日のお出迎えはツツジ科イワツツジでした。花冠は長さ6mmほど。

麓から山頂までミズキ科ゴゼンタチバナが多数見られました。

針葉樹林の中に朝日が差し込んできました。今日もお天気は良さそうです。

高さ1m前後の落葉低木のツツジ科ウスノキだと思います。
花冠は長さ7mmほどで先端が浅く5裂します。

ユリ科コバイケイソウが所々で見られました。

花弁、雄しべ共に6つ見られます。

登山道の傾斜がさらにきつくなってきました。

9合目に到着。

まだ所々でシラネアオイが見られました。

午前8時伏美岳山頂到着。ここでちょっと休憩して本日の目的地のピパイロ岳へと向かいます。

山頂から見たピパイロ岳です。かなり遠くに見えました。ここから一度高度を250mくらい下げて水場のコルと呼ばれる所まで行きます。登山道は伏美岳までは笹刈りされていて歩きやすかったですが、ここから先はワイルドな登山道となります。

伏美岳山頂付近の花をいくつか。
ツツジ科イソツツジが満開に近かったです。

コケモモもたくさん見られました。

山頂付近に多かったバラ科コガネイチゴです。高さ5cmほどの低木状の多年草です。

花は直径1cmほどで、花弁は4〜5枚見られます。

水場のコルまで一気に高度を下げていきます。帰りにまたここを登り返すのかと思うと、いささかげんなりしてしまいます。

スイカズラ科チシマヒョウタンボクが咲き始めていました。

花は上下2唇からなっています。

ユリ科ヒメマイズルソウだと思います。マイズルソウに比べて、全体が小型で葉が細めです。

草丈6〜10cmほどのトカチキスミレではないかと思われるものがありました。

側弁には毛が生えていて、唇弁と側弁に黒っぽいすじが見られます。
唇弁が小さいように見受けられました。

ハクサンシャクナゲもあちこちで見られました。

花冠内部の斑点が印象的です。

コルに向かう途中で見たピパイロ岳です。

ダケカンバの林の中を下っていきます。

岩の間をすり抜けて行きます。

残雪が現れました。

藪をかきわけながら進んで行きます。このあたりから目印のピンク色のテープは無くなるので注意が必要です。ダニにも注意。

これは葉の先端がとがらず、丸くなっているので、ツマトリソウの変種、コツマトリソウだと思います。

やっと下りきって水場のコルまで来ました。
残雪を掘り起こしてほてった顔や腕を冷やすととても気持ちよかったです。

水場のコルを過ぎると今度はほとんど直登に近い非常にきつい登りが待ち構えていました。

おそらくキンポウゲ科ヒダカキンバイソウだと思います。

シラネアオイとトカチキスミレ。

厳しい登りも花を見ながら行くと何とかなります。

疲れを癒してくれる一葉です。

群生していたバラ科ウラジロナナカマドです。
一つ一つの花は直径1cmほど。

疲れがピークにさしかかった頃にいよいよ最後の詰めの雪渓登りが始まります。アイゼンを装着して一歩ずつ登って行きます。登山道への入口には目印はなく、とてもわかりにくい所もありました。ガスがかかった時などはあぶないと思います。

雪渓とわかりづらい登山道を何とかクリアすると突然山頂が見えてきました。

山頂付近ではお目当てのマメ科ヒダカミヤマノエンドウが見られました。
本当に辛い登りで、何度も引き返そうかと思いましたが、苦労が報われる瞬間です。

素敵な姿にうっとり。

もう一つのお目当てはゴマノハグサ科ミヤマシオガマです。

タカネシオガマに似ていますがこちらの方が花が大きいです。
上下2唇からなります。

葉は長さ3〜7cmほどで、細かく裂けていました。

こんな群生も。

時期的にはちょうど良かったようです。

山頂直下のお花畑。
登ってきて本当によかったです。

花盛り。

お天気もよく、楽に写真が撮れます。

キンポウゲ科エゾノハクサンイチゲも満開でした。大きな群落を作っていました。

高度感のある画を一枚。

時間の過ぎていくのも忘れて撮影に没頭しています。

上から見た所。

ツツジ科イワヒゲも見頃でした。

イワウメ科イワウメも見られました。

花冠は5裂します。

本当に大変な登りでしたが、無事午前11時30分にピパイロ岳山頂に着きました。山頂の看板の脇には幌尻岳が見えていました。

山頂にのみ見られたセリ科レブンサイコというちょっと変わった花です。

山頂で昼食をとってからあたりを散策してみました。登山道はこの先1967峰まで続いているようでした。

フレッシュな花に感激。

タカネシオガマのようにきれいな車輪状にはなっていませんが、これはこれでなかなかきれいです。

葉もなかなかきれいです。

唇弁の模様はあまりはっきりしませんでした。

上から見た所。

ヒダカミヤマノエンドウとミヤマシオガマは山頂近辺にのみ見られました。

旗弁のすじが印象的です。

雪渓の残る山肌を入れて写してみました。

昨年からずっと出会いを期待していた花です。

岩陰にこのような群生も見られました。

見飽きることのない姿。

本当に面白い作りの花です。

最後にもう一枚。

花は茎の先端にいくつか付きます。

花柄とがく片の密な毛が目立ちます。

山頂で心行くまで花見を楽しんで下山しました。
この画は下山時に撮ったゴゼンタチバナとツマトリソウです。
ジグソーパズルにしたら結構難しいかも、、、
なんだかんだで結局下山は午後6時20分でした。14時間30分の山行はやっと終わりました。自宅に戻ったのは午後10時30分。ほぼ24時間の長旅でしたがピークに立てて本当に良かったです。

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