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5/4〜5〜6/2018

今年のゴールデンウイーク後半はかねてから計画を立てていた八丈島での観察を行う事にしました。天気予報に一喜一憂しながら当日を迎えました。羽田発午前7時30分の便で行きました。幸いな事にお天気は良いようです。この画は八丈島中央部から北の方向を見た所で、右に八丈富士、左に八丈小島が見えていました。

お出迎えの花はリンドウ科コケリンドウでした。八丈島では公園の芝生や林道の法面などで非常に多く見られ、びっくりしました。気を付けないと踏みつぶしそうになるくらいでした。

たくさんの花を付けた株です。

草丈は2cmほどで他の草に紛れてしまうような感じでした。

次に見つけたのがちょっとわかりづらいですが、ラン科ニラバランという草です。千葉県以南から沖縄、伊豆諸島に分布します。

このように群生している所もありました。日当たりのよい草地でよく見られるようでした。

3株並んで咲いていました。名前の由来となっている葉は一株につき一枚あるようでした。葉は遠目には確かにニラのようにも見えるのですが、実際は葉のふちが内側に向かって巻きこんでいてニラの葉とは全く異なっていました。また花期には先端から茶色くなってくるようでした。草丈は15cm程度のものが多かったです。

花序の部分です。花は直径2.5mm程度ととても小さかったですがたくさんの花が見られました。

花を拡大して見た所です。背がく片、側花弁、側がく片、唇弁、ずい柱が見られます。しっかりランの顔をしていました。

花がやや少なかった株です。

花序の部分です。

側がく片、唇弁が丸まっていました。

また何とか見たいものだと思っていた草がこちら。キキョウ科ヒナギキョウです。島では荒れた草地や道端などに普通に見られて驚きました。何と下草刈りもされてしまうとか。草丈15〜20cmほどで茎がたくさん立ちあがって先端に花を付けます。

まだ完全には開いていない花です。直径5mmほどの鮮やかな青い花です。小さいけれど素敵な花です。

側面から見た所です。島ではいつもやや強い風が吹いていて、ひょろひょろとした茎に付いた花は風に揺れて撮影がとても大変でした。

基部の葉の様子です。

別の株の花です。ほとんど平開していました。

側面から見た所です。

雌しべは3裂していました。

水平に伸びた個体です。

雄しべも見られました。生息域は本州関東地方以西、四国、九州、沖縄のようです。

これも海岸沿いの道端に見られたサクラソウ科ベニバナルリハコベです。花の直径は8mmほど。帰化植物です。

雲ひとつなく何とも南国的な風景です。心がなごみます。

これはたぶんタチツボスミレの伊豆諸島変異型のシチトウスミレの咲き残りだと思います。

花は直径15mmほど。側花弁には毛は見られませんでした。

距は少し青みがかっていました。

アザミ属の花は同定が難しいですが、多分ハチジョウアザミだと思います。

こちらも何としても見たかったラン科ハチジョウチドリです。草丈30cmほど。ヤマサギソウの変種で伊豆諸島で見られます。

花序の部分です。数個〜十数個の花が見られます。

正面観です。背がく片、前方へと伸びた側花弁、後方へ反り返った側がく片、後方へと伸びる唇弁が見られます。

側面観です。花の長さは30mmほど。後方へ直線的に伸びた距が見られます。

基部の葉の様子です。数枚が見られ、葉脈がはっきりしていました。

また違う所で見つけた株です。草丈20cmほど。

花序の部分です。

正面観です。

側面観です。唇弁がかなり長いです。

やや湿り気のある崖地でイズノシマダイモンジソウが見られました。本来の開花時期は12月から1月くらいのようです。花の大きさは直径1cmほど。

腎形の葉にはたくさんの毛がみられました。

サトイモ科ハチジョウテンナンショウは花が終わって実を付けていました。

ガガイモ科イヨカズラではないかと思います。葉には光沢があり、複雑な葉脈が見られました。花の直径は8mmほど。中央に副花冠が見られます。

草地に白いネジバナが見られました。

花はまだ完全には開いていませんでした。

最後はこれもどうしても見たかったラン科シマササバランです。4月の日々の最高気温の累積を数年に渡って調べ、咲いているであろうと期待していました。何とか花が見られてとてもうれしかったです。草丈30cmほど。

花序の部分です。シマササバランはユウコクランの伊豆諸島型の変種で花がやや小さいです。

別の株です。

花序の部分です。

花のクローズアップです。基本的な作りは他のクモキリソウ属のものと同じです。上方に背がく片が見られ、左右に線形の側花弁、側がく片が伸び、中央にふちが淡緑色の唇弁が見られました。唇弁の直径は6mmほど。

斜め上から見た所です。ずい柱が湾曲しています。

側面観です。唇弁の湾曲の程度がわかります。

開き始めの花です。側花弁が湾曲しています。

斜め上から見た所です。

側面観です。唇弁がまだそれほど湾曲していません。

葉の様子です。概ね3枚が見られるようです。

空港近くから見た八丈富士です。6日は最終便で羽田に戻り、乗り継いで帰札しました。お天気にも恵まれ、花だけでなくおいしい島寿司や島焼酎も堪能し、充実した連休でした。

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