9/27/2015
今日は北海道では渡島地方にのみ見られるシソ科のヒキオコシという草を観察に出かけました。道中ひどい雨にあたってしまい、どうなる事かと思いながら車を進めていくと、目的地に近づくにつれて雨は弱くなり、現地では薄日もさして、まずまずのコンディションになりました。ススキの手前に草丈50〜100cmほどのヒキオコシの群落がありました。
花序は円錐花序となり、多くの花を付けます。
花の長さは7mmほどと小さいですが、かわいらしい花です。上下2唇からなり、上唇は4裂、下唇は船形をしていて内側に少し巻き込むようになっています。雄しべが長いタイプと雌しべが長いタイプの花があるようで、この花は前者で、雄しべは4本あって2本が長く、残りの2本は短いようでした。
側面から見た所です。雄しべが下唇の先端より飛び出ています。
こちらは雄しべの長さにあまり差異がなかったものです。上唇の紫色の斑点がきれいです。
葉はこのように対生しています。ヒキオコシの名の由来は弘法大師が倒れていた人にこの草を与えた所、たちまち回復したということによるもののようで、薬効があるようです。
まだ蕾が見られる花序も残っていました。
花冠の外側にはごく短い毛が生えていました。
別の群落の株です。
この株の花は明らかに雌しべが長くて、雄しべは下唇の内側にとどまっていました。
別の花の様子です。雌しべの先端は2裂するようです。
少し下から見た所です。がくは5裂していて先端が尖っていました。
これも雌しべが長いタイプの花です。
また別の花序です。
こちらは雄しべが長いタイプです。
少し引いて見てみました。この草も以前から見てみたいものだと、ずっと探していました。ようやく出会う事ができました。
側面観です。上唇は上に伸び、下唇は前方に突き出ています。
またまた別の株です。
この株の花では雄しべが一本だけ長くなっていました。
これも側面観です。花が散った後のがくの様子がわかります。
キク科オオノアザミだと思います。
頭花は直径4cmほど。
センニンソウの花後の様子です。
ヤマハッカの大きな株がありました。
花は長さ6mmくらいで、ヒキオコシと同じく上下2唇からなっています。
側面観です。
コハマギクも見られました。
岩の割れ目からたくましく伸びています。
マツムシソウも見られました。
ちょっと色合いが薄い個体です。
カシワの実が見られました。
ススキが秋らしさを醸し出していました。