6/24/2012

今日は昨年から地道に予定を立てていたラン科ホテイアツモリの探索です。無事に発見
できて、見つけた時にはやったーでもなくあったでもなく、うっ!と声にならないような驚
きの声を発していました。この花を見る事は不可能かもしれないと思っていただけに、見
た時の感動は計り知れないもの
がありました。取り急ぎちょっと大きめの画像で先行公
開いたします。

○もどる

はやる気持ちを抑えながら、まずは正面観を一枚。草丈40cmほどの見事な株です。
私がこのサイトを始めた頃には盗掘によって絶滅したと言われていて、自然に見られるのはごく限られた場所で、初めて実物を目にしたのは北大植物園の鉢植えのものでした。
今日、この日を観察日に選んだのは5月と6月の最高気温の累積を複数年にわたって調べた結果です。
5月上旬がちょっと高温ぎみでどうだろうかと気になっていましたがちょうどよかったようです。

葉は先端が尖った長楕円形で4枚ほどが互生し、茎の頂部には花が一つと葉のような苞が一つ見られます。

この日は早朝は低い雲が空を覆っていましたが、時間と共に晴れ間がのぞくようになり、観察にはもってこいの日和となりました。初夏の日差しに照らされてまぶしいような輝きを放っていました。

ホテイアツモリという名前の由来は唇弁が大きく布袋様のお腹のようで、これを平敦盛が背負った母衣に見立てた事によるそうです。同じ属のクマガイソウの命名に似ています。

ちょっと見る角度を変えるだけで、違った趣を見せてくれる花です。

右斜め上部から見た所です。

唇弁が前方に張り出しているのがわかります。背がく片が上部に一つ。側花弁が左右に二つ、側がく片は二枚が合着して唇弁の裏側に見られます。

ちょっとアップで一枚。

さらにアップで。

左前方やや下から見た所です。何ともいえない優美な姿です。

左前方やや上から見た所です。背がく片が唇弁を覆うようになっています。

正面観をアップで。唇弁は幅径55mmほどと大きく、側花弁を含めた幅径は10cm近かったです。

少し右側から一枚。背がく片、側花弁にはすじが見られます。
こうしてこの花をご紹介できるとは夢にも思っていなかった事で、出会えた事は奇跡と言ってもよいかもしれません。

しばらく花の様子をご堪能ください。唇弁表面には凹凸があって、不鮮明ながらすじが見られました。

何枚撮っても次から次へと撮影したくなります。

もう一枚右側から。

今度はちょっと左側から一枚。見飽きる事がありません。
この花を次世代まで継承していくため、何とか保護できないものかといろいろと方策を考えている所です。

また右側から見てみました。

左側やや下から一枚。

左斜め上からの様子です。

同じく左側からアップで。

右側から見た側面観です。

左側から見た側面観です。唇弁はかなり前方に張り出していました。

上部から見た様子です。背がく片の幅がかなり広いです。

蕊柱の様子。背がく片、側花弁基部内側には毛が生えていました。

まだ開花前のものです。

あと数日で開花すると思われます。いかがでしたか?ホテイアツモリの世界をお楽しみいただけたのなら幸いです。

ちょっと変わった色合いのハクサンチドリが一株ありました。

花序の部分です。

沢すじのシダが涼しげでした。

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