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5/5/2010

本日はのっけから本命の登場です。
草丈30cmほどのラン科キンランです。絶滅の危機に瀕しています。
丘陵や山地の林下などで見られます。
この草を見るために昨年から準備してきて、今年の4月の気温をアメダスの記録で見ていました。4月は51年ぶりという低温に見舞われ、一喜一憂していましたが、5月に入って暖かな日が続いたので開花株を見る事ができました。
GW最終日に願ってもない幸運が訪れました。

茎の先端に数個の花が付きます。

花は直径15mmほどで、平開しません。ごく短い距があります。

側面観です。

正面観です。中央の唇弁には突起があるようです。

別の株です。

花序の様子。3つ開いていました。

斜め上から見た所。
唇弁の模様がわかります。

木々の葉が大きくなって、薄暗くなった林内ではひときわ目立つ存在です。
キンランは外性菌根菌に生育を依存しているようで、外性菌根菌は必要とされる栄養分を樹木の根から得ているそうです。
つまり、キンランは単独では生存できないのです。見つけてもそっとしておいてあげましょう。

林内の一角にキンランが群生している所がありました。

この株にはまだ蕾のものもありました。満開になったらもっと見ごたえがありそうです。

3枚のがく片、斜め上に伸びた2枚の側花弁、唇弁とも鮮やかな黄色をしています。

唇弁の突起と花柱がよくわかります。
この日が来るのを首を長くして待っていました。出会えて本当にラッキーでした。

キンランの脇にはフデリンドウがひっそりと咲いていました。

次は、キンポウゲ科のセリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)という中国原産の一年草です。
5つある花弁状のものはがく片です。
草丈は30〜40cmほど。
花の直径は15mmほどです。

側面観。
後方に長く伸びた距が印象的です。
本来の花弁は2枚が上部にあり、その下に花弁化した雄しべが2枚あります。
ちょっと変わった作りの花です。
一ヶ所に群生していて見ごたえがありました。

続いてこの地では絶滅が危惧されるゴマノハグサ科カワヂシャという越年草です。
水辺や水田などで見られ、若いうちは食用になるようですが大事に見守ってあげたいものです。
草丈は20〜50cmほど。

花は茎の頂部に多数付いて、一つ一つの花は直径5mmほどで4枚の花弁からなります。
クワガタの花に似ています。

ケシ科キケマンもあちこちで群生していました。茎の基部は太くなり、ゴム管のようになっていました。
一つ一つの花は長さ15〜20mmほどで、ごく短い距が見られます。

最後は意外と少なかったラン科ギンランです。この個体は草丈15cmほど。
札幌でも見られますが、キンランとペアで見られてうれしかったです。

花はあまり開かず、長さ10mmほどで、短い距があります。
かくしてGW最終日はたくさんの収穫を得て、過ぎていったのでした。

花を拡大して見た所です。上部に2つ小ぶりな花弁が見られ、下部の花弁化した2つの雄しべには切れ込みが見られるようです。

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