○もどる

7/25/2010

今朝は午前4時30分に起きて、道央道、日高道を経由して道東のとある湿地帯に出没です。狙いどおり目的の花が見つけられるか期待と不安がよぎります。片道280kmのドライブで何もなしではちょっとさみしいですからね、、、
天気予報では当地はくもり時々雨の予報でしたが、幸い降られずにすみました。

フウロソウ科エゾフウロがたくさん見られました。花の直径は25mmほど。

バラ科キンミズヒキも咲いていました。

ナデシコ科エゾオオヤマハコベもあちこちで見られました。

これは咲き始めたばかりのキク科エゾノコギリソウであろうと思います。
草丈30〜60cmほど。頭花は茎の先端にまばらに付きます。直径2cmほどで、筒状花と舌状花からなっています。

側面観です。花期は7月下旬から9月ころまでです。

湿地帯のふちにはツリガネニンジンがよく見られました。

ここでもバラ科クロバナロウゲが残っていました。

大きな5枚の花弁のように見えるがく片の間に茶色く細い花弁とその後ろに花弁と同じくらいの幅の副がく片が見られます。

側面観です。花弁、がく片、副がく片の位置関係が何とかわかります。

シソ科エゾイヌゴマです。

茎の毛が非常に目立ちます。

花冠は長さ15mmほどで上下2唇からなり、下唇に斑紋が見られます。

アヤメ科ノハナショウブはほとんど終わりかけていました。

ゴマノハグサ科シオガマギクも見られました。

花冠は嘴状の上唇と扁平な下唇からなっています。

花冠の裏側の様子。

葉のふちには細かい鋸歯が見られます。

これは今のところ正体不明の草です。花冠は直径8mmほどで、花弁状に4裂していました。

花のクローズアップです。どなたかご存知の方いらっしゃいましたらご連絡ください。

湿地帯を少し歩いて行ったらようやく本日のお目当てのラン科ミズチドリに出会う事ができました。
草丈40〜70cmほど。

ではゆっくりと見ていく事にしましょう。

花序は長さ15〜20cmほどでした。

一つ一つの花は直径12mmほどで、背がく片と左右の側花弁がまとまって半球状になり、側がく片は左右に突出しています。

花の後部には長さ13mmほどの距があってやや彎曲し、先端が緑色になっています。

これは今回見た中で一番すらっとしていて花の状態もちょうど良く、見栄えがしたものです。草丈60cmほど。

花序の部分です。

花柱は緑色で側がく片がねじれているようでした。

側面観です。花柄をよく見ると180度ねじれて開花しているのがわかります。、

花序の先端部分です。開花は花序の下の方から始まります。

これもなかなかスマートな個体です。

花序の部分です。見飽きる事がありません。見つけられて本当に良かったです。

各がく片と花弁の雪のような白さにうっとりしてしまいました。

花柄のねじれがよくわかります。

ミズチドリは別名ジャコウチドリとも呼ばれていて、花序に鼻を近づけてみたら、ほのかに爽やかな甘い香りがしていました。

昨日までの雨の影響もなく、とてもきれいな姿を見る事ができました。

一番下の唇弁は長さ8mmほどで、後方へ折れ曲がっていました。

葉はこのように線状披針形で互生し、長さ10〜17cmほど。上部の葉は小さくなり、しだいに苞になります。

これは何だかこげ茶色で枯れているみたいに見えますが、立派な開花株です。草丈70cmほどのユリ科シュロソウという多年草です。湿地帯のふちで見られました。花期は7〜8月です。有毒植物だそうです。

一つ一つの花は直径1cmほどで6枚の花弁からなり、雄花と両性花があるようです。
これは雄花のようです。

まだ開花して間もないもの。

葉は同じくユリ科のバイケイソウによく似ています。根元近くの葉の生え際がシュロのような繊維状になるためこの名が付けられたそうです。

最後はひょっとしたら見られるかなと思っていたマメ科のシャジクソウ(車軸草)という草丈20〜40cmほどの多年草です。とても鮮やかなピンク色で、湿地帯のふちで見られました。

満開のもの。旗弁はそれほど大きくはありませんでした。

アップで見た所。一つ一つの花は長さ15mmほどです。

下の方から見た所。がく裂片は細く尖っています。

別の個体です。なかなかきれいです。

旗弁と翼弁の様子がわかります。

側面から見た所。

上から見た所。花は5〜15個ほどが扇状に付きます。

また別の個体です。花期は7〜8月で海岸や山地の乾いた草地や岩場などで見られるようです。

見る事ができて本当によかったです。国内では北海道と本州中部、北部で見られるようです。

葉は小葉3〜5枚が扇状に広がって付き、重ねて見ると車軸のように見える事から車軸草と命名されたそうです。

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