5/30/2010
今日は朝ちょっと早めに午前4時30分に起きて道央道を北上し、終点の士別剣淵まで行き、さらに国道40号線を走って幌延町中問寒という所まで行きました。片道320kmの長旅です。所要時間約4時間です。
午前8時30分現地到着です。天候は心地よい晴れで道北のこの地も暖かかったです。
今日ここへやってきたのはここでしか見られないサクラソウ科テシオコザクラとスミレ科テシオスミレを見るためです。生息地は北海道大学の天塩研究林内にあります。
テシオコザクラを見るためには、まず遊歩道入り口で入域届を書き、簡単なアンケートも記入します。
右の箱に届出書が入っていて、左の箱に記入した用紙を入れるようになっています。
遊歩道はきれいに笹刈りされていて歩きやすかったです。
5月も末だったのでもう終わってしまったかもしれないと心配していたのですが、エゾアオイスミレの一種であるテシオスミレに出会う事ができました。
花の直径は10〜15mmほどで、側花弁にはエゾアオイスミレに見られるような毛は生えていませんでした。
距は白く、長さ3mmほどでした。
花が大きいもの。
この個体は花弁の色が薄かったです。
遊歩道は問寒別川の支流にそって進んでいきます。
暖かな風が吹いて気持ちよく散策できます。
ここの林には超塩基性土壌の蛇紋岩が見られ、そのためか、アポイタチツボスミレに似たようなスミレも多数見られました。
花の直径は10〜15mmほどで、葉が内側に巻き、葉の裏側がうっすらと紫色になっており、側花弁には毛のあるものとないものが見られました。
エゾアオイスミレのような個体です。
側花弁は無毛でした。
咲き始めのもの。
花弁の中心は白く、外側がやや濃い青色になっています。
別の花。
青と白のコントラストが素敵です。
満開のもの。見ごたえがありました。
見飽きる事のない姿。
葉の毛はエゾアオイスミレよりかなり少なかったです。
花弁の様子が変わっているもの。
花柱の様子がよくわかります。
花弁の様子も変化に富みます。
オクエゾサイシンも見られました。
がく片の先端は尖らず、丸みを帯びていました。
がく筒は押しつぶしたようになっていて、筋があまりはっきりしませんでした。
この散策路では数箇所渡渉する所があるので、観察には長靴が必要です。水深は30cmくらいありました。
もう一度テシオスミレです。
残っていてくれて本当に良かったです。
唇弁の青い筋が目立ちます。
側面観。距は白色です。
この遊歩道の終点がこのような蛇紋岩崩壊地で、写真にすると目立ちませんが、多数のサクラソウ科テシオコザクラが見られました。
この陽気でテシオコザクラは八分咲きといったところでした。
花冠の直径は15mmほど。
花冠は漏斗状で基部の長さは8mmほど。
咲いていて本当に良かったです。遠路はるばる来た甲斐がありました。
花冠の先端は5裂し、裂片はさらに2裂します。
裂片の切れ込みが浅いもの。
テシオコザクラは道北の蛇紋岩地帯でのみ見られます。北海道固有種です。
側面観。
花は茎の先端に2〜3個付きます。
生息地は極めて狭い所でしたが、密生していました。
花冠の先端は平開せず、斜開します。
岩の割れ目から生えてきているものもありました。
葉はヒダカイワザクラに似ていて、長い柄があり、縁は不規則に切れ込んで腎円形をしており、表面に毛が生えていました。
今日は本当に5月らしい良いお天気で、楽しい花見ができました。
いつまでも、この貴重な自然が残されるように願ってやみません。