8/29/2010
今日は天気予報が変わって雨の心配はなかったのですが、晴れ間がのぞいてくれるように期待しながら一路後志支庁管内の大平山を目指しました。
登山口から入るとすぐに沢地形の登りが待ち構えています。3年前に登った時と比べると登山道の状態は悪くなっていました。
湿った沢で比較的多く見られたカドバリマイマイというカタツムリです。この山とアポイ岳で見られるようです。
横から見てみると、殻のふちが角張っているのがわかります。直径4cmほど。
直径15mmほどの、まだ幼い個体です。
この日は非常に蒸し暑くて風がほとんどなく、荒れた沢地形の急登がこたえます。
倒木も数ヶ所あって、全く処理されていませんでした。あまり登ってもらいたくないのでしょうかね。
湿った沢地形の登りが終わると一転してブナなどの広葉樹林内を登っていくようになります。
ブナ林に別れを告げると、今度は草付きの急斜面の登りになります。
ゴマノハグサ科エゾルリトラノオがまだ残っていました。
花は茎の先端に多数付いて、一つ一つの花は直径5mmほど。花冠は4つに深く裂けます。
見事な咲き具合のゴマノハグサ科エゾシオガマです。草丈50cmほど。このような大株は初めて見ました。これも石灰岩土壌の影響なのでしょうか。
花序の部分。なかなか素敵な感じです。
エゾノホソバトリカブトも多数見られました。
大汗をかいて、ようやく810ピークに到着。これから登っていく1109ピークがそびえています。3年前と比べると登山道の笹が伸びていて、藪漕ぎを810ピークから先でもしなくてはなりませんでした。状態はほとんど廃道に近いような感じでした。
マメ科タイツリオウギの花が残っていました。花の長さは15mmほど。
マメ科ムラサキモメンヅルもいくつか残っていました。
葉はこのように奇数羽状複葉です。
滑りやすい石灰岩の岩場を登って行くと、やっと今日のお目当ての草に出会う事ができました。
リンドウ科チシマリンドウという2年草です。草丈5〜15cmほど。
草付きの急斜面を登っている頃から薄日が差し始めていたので開花しているだろうと期待していました。
花は陽射しがないと開花しないようだったので、開花株を見られてラッキーでした。直径20mmほど。
横から見たところです。
別の株です。分布は利尻礼文とこの大平山に限られるようです。
花冠は5深裂していて裂片はユウパリリンドウやオノエリンドウより丸みを帯びているようでした。
ブラシ状の内片が目立ちます。
側面観です。登ってきた甲斐があります。
葉の様子です。3本の葉脈が目立ちます。葉の先端は尖らず、丸みを帯びていて色合いはユウパリリンドウなどより薄い緑色でした。
これは北海道では渡島半島及び、日高地方でのみ見られるセリ科ミヤマウイキョウという草丈10cmほどの多年草です。個体数は少なかったです。
花は直径3mmほどの小さなもので、茎の頂部にまとまって付きます。
セリ科の草は鑑別がちょっと難しいですが、この草は葉の様子が特徴的なのですぐわかります。葉は非常に細くて1mmあるかどうかといったところです。
キキョウ科モイワシャジンが行く夏を惜しむかのように咲いていました。
下山途中で810ピークを見たところです。大平山は登るのも大変ですが下山するのも滑って大変です。