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5/16/2010

今日は、襟裳岬のそばにある標高754mのルチシ山に挑戦です。
この山は登山道のない山として知られているのですが、ネットで検索してみると登られた方がいて、かろうじて踏みあとがありそうなので。25000分の1の地形図とコンパスとGPSを参考にして登って行く事にしました。
この画は上歌別から見たルチシ山です。(左のピーク)

本日お出迎えの花は、サクラソウ科エゾオオサクラソウでした。沢沿いや日当たりのよい斜面にたくさん見られました。

ミヤマスミレは至る所で満開で、個体数もたくさんありました。

先週に引き続いて、ヒメアマナの登場です。個体数は少なく、数株しか見られませんでした。葉も細くて、弱弱しい感じです。

今日は私以外には入山する人はいなくて、静かな山歩きが楽しめそうです。幸いお天気も良くて、登っていく方向がわかりやすかったです。

ダケカンバ主体の疎林の中を登って行きます。

背の低いミヤコザサニ覆われた快適な稜線歩き。

キンポウゲ科ヒメイチゲも日だまりで心地よさそうに咲いていました。

ぼちぼちと登っていくと、中腹くらいから本日のお目当てのスミレ科トカチキスミレに出会うことができました。アメダスの過去の気温の記録と今年の記録を参考にして出かけました。4月がちょっと低温傾向でしたから心配でしたが、咲いていてくれてほっとしました。

側面観です。距はほとんど見られませんでした。

花は直径15〜18mmほどで、側花弁に毛が生えていて、側花弁と唇弁に黒っぽい筋が入っています。

トカチキスミレはケエゾキスミレに似ていますが、葉がやや厚く、少し光沢があって、葉のふちには毛が見られません。

トカチキスミレは群生するといった感じではなく、ぽつりぽつりと咲いていました。草丈は4〜7cmほど。

唇弁の先端がとがっています。

斜め前方から見た所。

きれいな色合いのオオセンチコガネです。体長20mmほど。動物のフンや死肉に集まるそうで、この山にはエゾシカやヒグマのフンがたくさんありました。

側花弁の毛が多い個体。

拡大してみたところ。

葉が小さい個体。

花弁の様子も個体差があって面白いです。

この2株は花弁や葉の様子が似ていました。

葉のバランスが良かったもの。

花の具合も素敵です。

葉の先端部を拡大して見た所。毛はありません。

花を見ながらダケカンバの疎林の中を登っていきます。

山頂が近くなってくるとミヤコザサの生えている急斜面に出ました。

かなり斜度があって、笹原登りは滑って登りづらかったです。おまけにマダニも多くてはらってもはらっても付いてきて大変でした。

日当たりの良いところで一枚。

横顔。

この個体の鋸歯は結構目立っていました。

エゾキスミレを思わせるような個体です。アポイ岳では今年はまだエゾキスミレは開花していないようでした。

何とも言えない素敵なお姿。見る事ができて本当に良かったです。

斜め前方から見た所。気が付いたらトカチキスミレだけで100枚以上撮影していました。

山頂までもう少しです。登山道は相変わらずやや急で岩がちになってきました。

山頂が見えてきました。

最後の岩登り。

岩陰に一株ヒダカイワザクラが見られました。

トカチキスミレのペア。花弁の様子が随分異なっていました。

山頂到着です。寂しいことに看板も三角点もありませんでした。低山ではありますが、一応日高山系の山らしく、ちょっとピリ辛な登りでした。

山頂から襟裳岬を見た所。岬の先端には低い雲が立ち込めていました。

北北東の方向を見た所。右手のピークがオキシマップ山で、左の雪で覆われている山が豊似岳だと思います。

北北西の方向には日高の山並みが見えていました。

西北西にはアポイ岳が見えていました。

4月の雪解けとともに、エゾシカのオスは角を落として新しい角になるそうで、下山途中に落ちて間もないと思われる角を見つけました。長さ65cmほど。結構重かったです。
他にも、ヒグマに襲われて間もないと思われるメスのエゾシカの死体も見つけましたが、あまりの惨状に写真を撮る気になりませんでした。昨今エゾシカは数が増えすぎて害獣扱いされていますが、自然の捕殺者も必要なのでしょう。
取りあえず今日はヒグマに会わなくて良かったです。

ここからは所変わって、日高地方のとある山の作業道脇の岩場に生えていたサクラソウ科ソラチコザクラのご紹介です。帰り道でちょっと寄り道です。

岩場の苔むした所に張り付くように生えていました。

花冠は直径15mmほどで花弁状に5深裂し、裂片はさらに2裂します。

ほとんど垂直に切り立った岩場にたくましく咲いていました。

かわいらしい花です。日高地方で空知というのも変ですが、最初に空知地方で見つかったらしく、日高山脈と夕張山地の固有種だそうです。

こちらはウマノスズクサ科オクエゾサイシンなのですが、手持ちの図鑑ではがく片の形状からヒダカサイシンとされているものです。草丈15cmほど。

3つあるがく片の先端がとがっているのが特徴だそうで、、、

斜め前方から見た所。がく筒に筋が見られます。

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