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7/10〜11/2010

2010年7月10日土曜日。高校時代の同窓会が横須賀で開催されるので、午後の便で大急ぎで向かいます。
梅雨前線の上は青空。所々に発達した積乱雲が見られました。

同窓会翌日11日。前日1次会、2次会で大いに盛り上がって、その余韻が残ったまま目覚めました。
同窓会のお次は例によって花見です。
天気予報ではまたまた午前中までは雨が降らないようだったので横須賀市内のとある場所に出没です。

これは関東地方以西の暖地の海岸で見られるユリ科ハマカンゾウです。

こちらはハマカンゾウと同じく関東地方以西の海岸で見られるベンケイソウ科タイトゴメという草丈6cmほどの多年草です。葉は多肉質で互生します。花は直径7mmほどで5枚の花弁からなります。

これも海岸で見られるサクラソウ科ハマボッスという2年草です。花冠は深く5裂します。葉は倒卵形でやや厚みと光沢があります。

ハマボッスを見た後で潮の引いた磯の潮溜まりを見てみたらいくつか見られたウメボシイソギンチャクです。直径5cmほど。
局所的に見られました。珍しいもののようです。

磯辺から陸に上がって湿地で見られたドクダミ科ハンゲショウ(半夏生)です。草丈60cmほど。
7月初旬の半夏の頃に葉が部分的に白くなるので半夏生とか半化粧と言われるようです。

花は花弁がなく、茎の先端に穂状に多数付きます。ちょっと青臭いような臭いがしていました。

浅い水辺に生えていた草丈1mほどのミクリ科ミクリです。茎の上部に雄花、下部に雌花が付きます。下部に写っているイガグリのようなものは若い果実です。

これは比較的あちこちで見られた草丈70cmほどのツユクサ科ヤブミョウガという草です。

花は直径8mmほどで白く、両性花と雌花を付けます。この花は花柱が長いので両性花だと思います。

緑が濃くなった林の中で目を引くのが、南アメリカ原産のアヤメ科ヒオウギズイセンです。花は一方に偏って付いています。
草丈70cmほど。

やっと出てきました。本日のメインのラン科タシロランです。草丈30〜60cmほど。関東地方以西の落ち葉が堆積した半日陰のような所でまれに見られるようです。タシロランが見られるという事はいかに自然が保たれているかの証のようなものです。

フレッシュな開花状態のもの。タシロランは長崎県諫早で田代善太郎氏が初めて発見したため、氏の名前が付けられています。色からわかるように、タシロランは葉緑素を持たない無葉の腐生ランです。

ちょっと花のピークは過ぎていましたが、このような大群落も見られました。

花序の部分です。唇弁の後方に長さ4mmほどの袋状の距が見られました。

花のアップ。唇弁に薄紫色の斑点がみられます。

正面観です。3つのがく片と左右に側花弁、中央に花柱、下に唇弁があり、唇弁のふちには浅いひだが見られます。花の直径は15mmほど。
しっかりとランの顔をしています。

こちらも腐生ランの一種であるマヤランです。草丈10cmほど。あいにく花は終わりかけていて萎びていましたが、蕾のものが多く見られました。

側面観です。来年はフレッシュな花を見てみたいものです。

今回の花見のトリは、ラン科クモキリソウ属のコクラン(黒蘭)です。草丈15cmほど。

花は茎の先端に数個がまばらに付きます。

ちょっと角度を変えて見てみました。

花のクローズアップです。中央の濃い赤紫色のものは唇弁で、下に糸状の側花弁が2つ飛び出ています。唇弁は幅5mmほどと極めて小さいです。花の上部の花柱の所にアリがいるので、だいたいの大きさがわかるかと思います。

もう一株発見。

花の正面観です。3つのがく片と唇弁、側花弁、花柱がわかります。

側面観です。唇弁がクモキリソウと同じく彎曲しています。

葉は概ね2枚見られ、長さ10cmほど。葉脈がはっきりしています。
今日も楽しい花見ができました。
観察を終えたら、雨がぱらついてきました。

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